最終更新日(update) 2015.09.01
句会報(H27) 転載
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あんず句会 平成27年1月号掲載
いまたか俳句会 平成27年2月号掲載
さざなみ通信句会 平成27年5月号掲載
仁尾正文先生を偲ぶ坑道句会 平成27年7月号掲載
こまくさ句会 平成27年9月号掲載

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平成27年1月号掲載 句会報
       あんず句会
中嶋 清子

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 俳句を学ぶ様になった切っ掛けは、六十歳半ばの頃でした。多久の老人ホームの俳句会を覗いてみて、「私にも出来るのでは?」と軽い気持で入会したのですが、入ってみるとそう簡単では有りませんでした。
 幾度も幾度も色々な壁にぶつかりながらも少しずつ詠めるようになりました。新聞への投句も始め、時々選に入ると勇気を得て頑張っていました。
 そんな折、ひろ女先生の「あんず句会」に入りました。会員は八名で、月に一回第三水曜日の午後一時三十分から、多久市中央公民館で行います。人と人の和と絆を大切にして楽しくて笑い声の絶えない教室です。先生の温かい指導で皆少しずつ上達しています。分からない事も素直に話して、理解し合って半日があっという間に過ぎてしまいます。俳句を生涯の私の宝物として続けたいと思っております。

  雲ひとつだけでは淋しい秋の空   あつこ
  花石蕗の明るさに夕迫る      こうじ
  故郷を埋め尽くしたる曼珠沙華   のぼる
  流鏑馬の手綱おさへし豊の秋    鈴 子
  銀の月みづうみに映え上がる    明 美
  秋の夜や花瓶の闇に水を挿す     和 
  珊瑚樹の実や原発に続く道     ひろ女
  ふんわりと落ちて来さうな後の月  清 子



平成27年2月号掲載 句会報
       いまたか俳句会  
星  揚子

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 「いまたか俳句会」は昭和五十六年、栃木県立今市高等学校の職場句会として発足し、指導者として橋田一青先生が招かれた。その後、白魚火の鹿沼支部に吸収され、橋田先生が亡くなられた翌月の平成十三年六月より、星田一草先生のご指導のもとに活動している。
 現在、会員は十八名で、月一回、主に第二土曜日、午後一時半から二時間半ほど鹿沼市内の情報センターまたは御殿山会館で行っている。二つの兼題と当季雑詠を含めて五句出句し、十三句選、そのうち三句特選で進められる。また、欠席投句も認めており、都合が悪くて欠席の場合も前もって投句できるので、ほとんどの方の句が句会に出されている。
 披講後に、星田先生の司会進行のもと、欠席投句も含め、一人ひとりの句について批評される。出席者も、意見や感想を自由に発表し、星田先生がそれらをまとめて助言してくださっている。また、歴史的仮名遣いや文法の誤りがあった場合には、気づいた人がそれを指摘したり、わからないところを質問したりするので、いろいろな面で勉強になる。
 最後に、その日の高得点者が次回の兼題二つを決める。兼題については、たとえば、時候と植物、行事と動物、というように異なる分野から一つずつ選んでいる。
 句会のまとめは全員の句と選者の名前を記載して、後日郵送。会の仕事においては、皆で分担し、協力し合っており、なごやかに楽しく活動している。

 ○十二月の句会から
冬ざるる送電線が山繋ぐ       星田 一草
炬燵舟追ひかく鴨の足忙し      柴山 要作
つくづくと空の青きに石蕗の花    齋藤  都
白鳥の嘴羽根に埋め眠りをり     宇賀神尚雄
神無月中途半端の大掃除       石岡ヒロ子
数へ日や一煎の茶の席にあり     大野 静枝
折り込みの表も裏も冬支度      島  澄江
太文字の宛名はサンタ枕もと     高内 尚子
おでん鍋の鹿沼こんにやく踊りけり  髙島 文江
あつけらかんと冬木の空の広さかな  鷹羽 克子
神無月絵馬に角張る男文字      高橋 裕子
渓流の合流地点に冬もみぢ      田原 桂子
子規庵の句会に出向く憂国忌     中村 國司
病む兄に静かなる日々冬深し     西山 弓子
しぐるるや高倉健てふ男ゐし     本倉 裕子
袴著を脱ぎ捨てすぐにゲームの児   谷田部シツイ
何光年言葉たらずや冬銀河      渡辺 加代
冬の日をキャッチボールの親子かな  星  揚子




平成27年5月号掲載 句会報
      さざなみ通信句会
生馬 明子

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 さざなみ句会は平成十九年原和子さんのよびかけでできた、初心者のための句会です。指導は三島玉絵先生にお願いし、仕事や孫育て中の方のために、句会は夜行っていました。しかし、隣町在住の玉絵先生には夜の句会は負担が大きいとのことで、辞退なさいました。
 安食彰彦副主宰に相談し、当時白光集選者であった白岩敏秀先生にご指導いただくことになりました。先生から「添削指導ではなく会員が互いの作品に触れることのできる通信句会に」という提案をいただき、〈さざなみ通信句会〉が発足しました。平成二十年十二月のことです。

〈通信句会の要領〉
 1 投 句  月末までに七句先生に送付。
 2 投句一覧 五日までに先生より返送。
 3 選 句  投句一覧より十句選ぶ。内一句を特選とする。
        特選句についてのコメントを書く。十日までに先生に送付。
 4 選句一覧 二十日過ぎに先生より  及び選評 返送。
 5 句 会  第四土曜日
        於 出雲市平田コミュニティセンター
        選評をもとに話し合う。
〈選評例〉
 その一
   原句 身構へてのぞき込みをり冬の淵
   選評 中七が冗漫。冬の淵の緊迫感を。
 その二
   原句 親鴨に遅れて着水初々し
   選評 初々しと作者が結論をいっては駄目。
      読者にそう思わせること。
 その三
   原句 客用に寝具改む年の暮
   選評 「に」と「も」は要注意のことば。
      「に」は説明になり勝ち。

 当初、白岩先生は平田まで数回お越し下さり、直接ご指導いただく機会を作って下さいました。その時一番心に残ったのは、「そこにポエムがありますか」という言葉でした。回を重ねるにつれポエムを求めて吟行をということになり、現在は吟行もしています。
 本句会は本年五月で六十回となります。月末の句会に六名全員が揃うことは少ないのですが、白岩主宰のご指導のもと、息長く続けていこうと話し合っています。
〈二月の句会より〉
幼子に言葉生まるる小六月    白岩 敏秀
冬晴や鯉の勢の増しにけり    山本 絹子
庖丁にからだを預け鏡割     森脇 和惠
探梅の堅き蕾に会ひにけり    牧野 邦子
酒蔵に灯りの一つ夕冴ゆる    原田万里子
産土の注連に冬日のとどまれり  原  和子
梅白し誰にも会はぬ峡の村    生馬 明子



平成27年7月号掲載 句会報
   仁尾正文先生を偲ぶ坑道句会  
小林 梨花

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 去る三月十六日午前十時より出雲市河下町のなかや民宿に於て、二月二十一日に御逝去されました仁尾正文先生の追悼句会を開催しました。出席者は二十四名でした。当日は幸い寒さも和らぎ、国引き岬の周りの海山は凪渡り春霞のかかる日和に恵まれました。
 御存じの通り、故仁尾正文先生は坑道句会の創始者であります。平成二十二年に発行致しました合同句集「坑道」のはしがきに書かれておられます様に、常に坑道句会のことを心配して下さっておりました。ご一緒に鉱山の近辺また石見銀山等へ吟行したことが懐かしく蘇ってきて涙が出ました。
 開会に当たりまず安食編集長より、浜松で執り行われました仁尾正文先生の葬儀の様子等を報告して頂きました。その後、全員で黙祷を捧げました。そして涙ぐんだ顔でその後近辺を吟行、一人七句十二時三十分の出句締切。その他に追悼句一句を提出。その間に昼食を取り、句会は一人十五句の選。選者は入選、特選を適宜取り其々に発表、山根仙花先生の特選には、故仁尾正文先生の書かれた色紙を贈呈されました。最後にコーヒーを飲みながら全員で今後の坑道句会のあり方についても話あい、悲しみの中にも穏やかな追悼句会を終えることが出来ました。
 当日の選者は次の方々でした。
  山根仙花  安食彰彦  小林梨花
  武永江邨  三島玉絵  福村ミサ子
最高得点句
  黙祷にふつと面影朧かな  渡部幸子


平成27年9月号掲載 句会報
       こまくさ句会
飯塚比呂子

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 こまくさ句会は、群馬県北西部に位置し、山間の小さな町に、故鈴木吾亦紅先生を中心に、平成八年八月、女性ばかり六名で発足致しました。
 句会は、月一回とし、会場は会員の近くの集会場をお借りしました。
 句会形式は、五句提出、五句選で、どこでも行われている方法をとっておりました。
 被講は、順番制で毎回緊張しながら出席していたことを思い出します。
 年月の立つのは早いもので、この八月で丸十九年になります。
 吾亦紅先生が、ご病気のため、ご指導いただけなくなり、その後は田村萠尖先生、柳田茂富先生、笛木峨堂先生より、平成十九年七月までご指導いただきました。
 現在は、ご指導いただける先生はおられませんが、この地域には、以前から「葉月会」と言う句会が存在しており、こまくさ句会の全員がそこにも席を置いていて、二つの会とも、高齢化による会員の減少が進んだため、今は、二つの会を合わせて、葉月会として福嶋ふさ子さんを中心に、月一回の句会をしています。
 吟行会は、群馬白魚火会実施の吟行句会への参加と、私達の会でも、年に一回は出掛けます。会員の多かった頃には、レンタカーを利用したり、旅行会社のツアーに参加したり、最近では、ジャンボタクシーを利用したり、また会員同士の車に乗り合わせて、近場へ出掛けています。
 遠い所まで出掛けることは減りましたが、その分近い所をゆっくり、観察眼を働かせて巡り、句を拾います。全体に、ペースはゆっくりですが、そのゆったり感も、また、気持の余裕に繋がり、プラスに働くように思います。
 その時の句を翌月の句会に発表となります。
 私達の会は、人数は少ないのですが、毎月の集りを大切にし、意欲をもって過ごしています。

 最近の句会より
手甲に蛍を入れて野良帰り      ふさ子
雨降りて紫陽花色を深めけり     妙 子
春蝉の囃す暮坂峠かな        米 女
遠き日に想ひを馳せし俵茱萸     紀 子
一雨にやうやくあぢさゐらしくなり  比呂子


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